2014年12月の俳句

冬帝や機嫌損じて横殴り (とうていやきげんそんじてよこなぐり)

季題:冬帝。冬の神を司る神です。俳句でなければ使わない言葉ですね。ここ数日の北海道や日本海側は冬帝が大暴れ。早く気をお鎮めになるように祈るばかりです。







王者なるずわい蟹盛る皿の無く (おうじゃなるずわいがにもるさらのなく)

あの大きな蟹はまさに蟹の中の蟹。一度でいいから丸ごと一杯一人食いしてみたい! そんな大きな皿はないのでテーブルにど〜んと直おきで(笑
ずわい蟹の雌は香箱蟹(こうばこがに)ともせいこ蟹とも呼ぶれ、雄に比べるとうんと小さいのだそうですね。玉子と味噌がとても美味しいのだそうです。値段も安いとのこと。香箱蟹なら一人食い十分できそうな。本場で食べてみたいですね。季題はずわい蟹。



水涸れて老いの物差し鈍りけり  (みずかれておいのものさしにぶりけり)

季題は水涸る(みずかる)。冬は河や沼の水が減って、流れが細くなったり底石が見えてきたりします。昔はとうとうと水をたたえ、自信と判断力も旺盛であったのに。。。老いるとはこういう事でもありと。充ち満ちた時もあったのは確かですから。



熱燗や耳朶のふっくら若女将  (あつかんやじたのふっくらわかおかみ)

季題は熱燗。耳朶はみみたぶですが、じたとも読みます。そっとみみたぶに指を当てる。色っぽいのであります。



アメ横の数え日声もかすれをり  (あめよこのかぞえびこえもかすれおり)

そろそろアメ横も賑わい始めています。売り手の大将・お兄さんの声も連日の呼び声でお疲れでしょう。季題は数え日。年末も押し迫ったあと数日というところ。
「大将、もうひとこえ!」と値切る客。「ええい、もってけどろぼう!!」と大将。そんなやりとりは端で聞いていると楽しいものですね。 
私? いえいえ、気が小さいのでとてもでけまへん。