2017年4月の俳句

要領の悪さに疲れ春埃 (ようりょうのわるさにつかれはるぼこり)

人の集まりも段取り悪い・要領悪いはどうも苦手です。季語は春塵(春埃)春は風が強い日が多く塵や埃がたちやすい。



骨の浮く舅の背中春キャベツ (ほねのうくしゅうとのせなかはるきゃべつ)

季語は春キャベツ。冬キャベツに比べると芯が浮き出ていますね。柔らかくて甘くてパリパリ。
風呂上がりに義父の背中にクリームを塗っていたのも今は思い出。きれいな背でした。



花守や日誌の文字の几帳面 (はなもりやにっしのもじのきちょうめん)

いつだったかどこの名木の桜か忘れましたがテレビで花守の取材をやっていました。お歳を召した花守さんでしたがその日誌の丁寧さに感心しました。季語は花守。桜の番、お世話をする人です。



浅蜊掘股より覗く三河湾 (あさりほりまたよりのぞくみかわわん)

知多半島浅蜊の産地です。子供の頃遠足で浅蜊掘りに行きました。ブルマをはいてましたね、あのころは。浅蜊を捕ることより、いないいないばぁ〜と股から覗くお互いを笑い合って遊びました。でも海はちゃんと記憶に残っています。季語は浅蜊掘。




昨日はお茶の水駅から男坂・女坂を経由して句会会場の学士会館まで13名で吟行しました。
そこでの二句。

女坂の方です。

窮屈な坂となりしも長閑なる

(きゅうくつなさかとなりしものどかなる)

階段状になっている坂です。坂が出来たのは大正13年といいますから当時は周りは何もなかったのではないでしょうか。今や建物に囲まれています。坂を下ると神田女学園、その先はカソリック神田教会があります。レトロモダンな街です。季語は長閑。春のゆったりとしてのびやかな落ち着いたさまをいいます。天候にも恵まれそんな日でした。
※写真は千代田区観光協会より拝借。狭いところなので人が写って坂の状況が分かりにくかったものでして



三つ咲く紅華桜の若木かな (みっつさくこうかざくらのわかぎかな)

坂の途中、民家の玄関先の鉢に植えられていました。親木ともなればぼってりとボリュームのある花のようですが、若木故かまだまだそこまでのボリュームはありませんでした。でもそれがかえって可憐で清楚でした。季語は、う〜ん…無理して桜。紅華桜は季語ではありませんので。