2012年2月の俳句

国芳の武者の眼(まなこ)や寒明くる

歌川国芳の展覧会は前・後期に分かれて展示作品の入れ替えが行われ両方とも行きました。私は武者絵が好きでした。炯々とした眼光にいっぺんに寒が明けたような。季題は寒明。


むくむくと土のあくびや下萌へる

公園や道ばたなど草の芽をみつけるようになりました。土がもっこり浮き上がって長い冬から目覚める、そんな情景です。季題は下萌。


一本の梅を求めて石の段

池上梅園に吟行でいきましたが、まだまだ蕾が固く全く咲いていませんでした。岡の上にちょっと咲いているとのこと、これは行かねば。季題は梅。




腹黒いたとへは辛きさよりかな

季題はさより。くちばしの長い魚です。海の貴婦人と言われるくらいほっそりとして姿の美しい魚ですが、腹は黒く「サヨリのように腹黒い」と例えられるそうです。そりゃちょっとかわいそう。






元気です言ったその日に春の風邪

春の風邪は案外治りにくいですね。春めいてくるとついつい油断しがち。皆様もお気をつけください。