2016年2月の俳句

野焼き見つ我が胸の火をもてあます (のやきみつわがむねのひをもてあます)

燃えさかる野焼きの炎。この火は必ず消えるけれども、さてこの恋の火は……季題は野焼く。春先に野原の草を焼くことです。


不老てふあやかりたりし盆の梅 
(ふろうちょうあやかりたりしぼんのうめ)

長浜盆梅展での目玉はこの写真の「不老」と名付けられた盆梅とのことです。樹齢は400年と伝えられ、高/約240cm、直径/約60cm。実際に観たらほぉと感嘆のため息がでることでしょう。季題は盆梅(ぼんばい)、盆栽の梅です。
ついでながら「てふ」は連語で「ちょう」と読み、「〜という」を意味します。俳句は文語調にすると格調が高くなると言われます。ほんでもってちょっと真似してみたっす。(本人はどう転んでも格調高くないんでござるわ)





嫋やかで強き京菜と京女 (たおやかでつよききょうなときょうおんな)

季題は水菜(京菜)はしゃっきとして歯ごたえがあり美味しいです。京都の女性も優しさの中に強さも持ち合わせているような気がします。



姉見舞ふ残る寒さに背の丸く (あねみまうのこるさむさにせのまるく)

先日名古屋の姉を見舞いました。痩せて一回り小さくなったような。季題は余寒(よかん)。春めいてきたのだけれどまだ寒さが残っている感じをいいます。



草萌へよ五百羅漢の力得て
(くさもえよごひゃくらかんのちからえて)

村上隆さんの五百羅漢図を観て、村上さんが江戸時代後期の絵師 狩野一信の五百羅漢図に影響を受けたとありましたので、増上寺の「狩野一信の五百羅漢図」を観に行きました。狩野一信が増上寺に寄贈したものです。一信の羅漢は力強さを感じます。
季題は下萌(したもえ)、草萌。冬枯れの中にも草の芽が萌えつつあります。
※写真は増上寺のHPより