2017年7月の俳句

遮断機の音にちりちり百日紅 (しゃだんきのおとにちりちりさるすべり

梅雨が明けたと思うほどの日の照りよう。この暑さに百日紅の花は夏らしいというか暑苦しさが増すというか、踏切の音も加えて。季語:百日紅



昼の雷廃車の山の錆臭さ (ひるのらいはいしゃのやまのさびくささ)

雷が走ってざっーと雨が来てやめばムシムシする暑さ。よくテレビドラマに廃車工場が出てきて、なんだか雨の後は錆の匂いが充満しているような。季語:雷



一筋の水に大河と騒ぐ蟻 (ひとすじのみずにたいがとさわぐあり)

鉢植えの水が流れて、、、、そりゃね、蟻にとっては大河です。季語:蟻



千の花万の星へと夏の夜 (せんのはなまんのほしへとなつのよる)

上高地にて。夜は満天の星空でした。ン十年ぶりに見る星空でした。昼の散策に見たゴゼンタチバナの白い花が夜には星になったような。季語:夏の夜



兄らしき終わりに供す夏の菊 (あにらしきおわりにきょうすなつのきく)

6月の下旬に兄が亡くなりました。妹の私が言うのもなんですが、物静かで優しく人に嫌われるようなことはせずの一生でした。4ヶ月の入院生活、その間義姉は毎日病院に通いましたが、それ以上の世話はなく、兄の子供達にも介護をさせることなく、静かに旅立ちました。4ヶ月間義姉は寂しく辛かったですが、それも1人になる覚悟をしろよと義姉への時間だったかと。最後まで人を思う優しい兄だったと思います。季語:夏菊