『生誕100年 朝倉摂展』 神奈川県立近代美術館 葉山

 朝倉摂さんは舞台美術家としての活躍のイメージでしたが、日曜美術館で画家としての活動も採り上げられていて興味を持ちました。


 朝倉摂さんは彫刻家 朝倉文夫氏の長女として東京谷中に生まれました。次女は彫刻家の朝倉響子さん。姉妹は朝倉文夫氏の教育理念のもと、学校には通わず特殊教育で育てられたとのこと。ポスターの『更紗の部屋』は妹の響子さんがモデル。17歳で日本画家の伊東深水に学びました。チラシによれば「モダンな人物像を洗練された色彩感覚で描き出し、若くしてその才能を認められました」。
摂さんのさんのこの写真、とても素敵ですね。美術館のHPや美術館にも掲げられていました。







私はマチスを思い浮かべました。












戦後は今までの画風からガラッと変わり、炭鉱や採石場などの女性労働者を題材にします。過酷な現場に取材に行ったときには、画家さんは良いよな、のんきで・・・・的なことを言われ、その言葉を胸に如何にしてそうならないように描くかと心の葛藤があったようです。
60年安保闘争にも興味を持ったりと、摂さんが社会派の時代もあったことを知り以外でした。


そして絵本。


私が知らなかった画家としての朝倉摂さんの作品にはとても興味を覚えました。この展覧会では殆ど知られていなかった絵画が40展ほどと素描もあり、舞台美術の模型やデザイン画、絵本原画などを加えると200点ほど展示され、見ごたえ十分。それだけに疲れも感じました(汗)。

※写真は美術館のHPより