村上春樹 『一人称単数』

 村上春樹の短編集。2020年に出たということですが、全く知りませんでした。彼の作品は過去には好んでよく読みましたが、『1Q84』以降、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が全くついていけなくて訳わからなくて離れました。
でついこの頃『一人称単数』を知り、短編だし読んでみようと図書館で借りてきました。なかなか面白かった。タイトル通り時代ごとの主人公(自分)の目線で綴られた物語らしい。けれどもそれが短編になっているので主人公のその後と思わずに読み進んで行ったので、私の場合、それで良かった。はなから村上さんの自伝と思うとなんとなくこだわってしまうので。これは明らかに村上さんの自伝と思える『ヤクルト・スワローズ詩集』これはこれで良しでした。


この中で私が好きな短編は『石のまくらに』『With the Beatles』『謝肉祭』『品川猿』です。8作品のうちの半分も良かった。あとの作品も良かったですが、タイトルになっている『一人称単数』は後味の悪い作品でした。これはやっぱりよくわかんない。

図書館で借りた本なので返さなくてはいけません。手元に置いて置きたい本なので、買うことにします。何度でも読み返しても飽きが来ないと思うからです。