山種美術館 「ボストン美術館 浮世絵 名品展」

昨日の日曜日、広尾にあります山種美術館に行ってきました。
ボストン美術館に所蔵されている浮世絵版画の展覧会です。

浮世絵絵師/清長・歌麿写楽3名の作品です。
それぞれ個性が異なりますね。3名の作品を一挙に鑑賞できたことでその違いが明らかです。
清長は真面目な筆のタッチ。丁寧に描写をしています。歌麿はふくよかで柔らかな曲線が印象的です。写楽は楽しくデフォルメされた絵で現在のイラストにも通じるものを感じました。どれも保存状態がよく、摺られた当時の鮮やかな色彩が伝わってきます。日本の顔料も当時でもこんなに豊富であったかと思いました。ボストン美術館には5万点にものぼる浮世絵版画があるということです。版画ですから一点物の絵画と違って枚数は多いでしょうが、こんなにも当時の浮世絵は海外に流出したんですね。(というか輸出向け美術品だったのでしょうか?)
ボストン美術館に収蔵されて以来初めての里帰りということ、錦絵の黄金時代の3大巨匠の作品ということもありなのか、なかなか来場者が多かったですよ。4月17日までの開催です。どうぞ、皆様も足を運ばれてはいかがでしょうか。江戸時代の庶民の生活がいきいきと描かれています。先人達の自由闊達な暮らしぶりに元気をもらいました。
それにしても、不思議がひとつ。どうして浮世絵に描かれた人たちはall横顔なんでしょう?正面を描いたものはありませんね。