落語な日々 2.

11/27の夜は「柳家さん喬独演会」です。さん喬さんは今年の元旦鈴本で落語を聴いてうまいなぁ〜と思い、独演会の機会を狙っていました。
会場は人形町日本橋公会堂。人形町も夜歩くのは初めて。随分賑やかなもんです。開演する前に腹ごしらえをしたくてお店を気にしながら歩きますが、入ってみたくなる料理屋や居酒屋など多し。しかしゆっくりもしていられないので、先ずは初めていく会場なので確かめてから。近くに行くととたんにお店が少なくなります。しょうがない会場の横にある昔からのお店風なレストランで白ワインとカルボナーラで。落語だから和食で行きたかったのですが、でも美味しかった。


前座にさん弥の「雪てん」。長屋の熊さんがご隠居さんのところへ遊びに行き、俳諧を教えてもらうことに。「初雪」をお題に、熊さんいろいろ詠むのですがなかなか「点にならない」。これならどうだと詠んだ句が「初雪や二尺余りの大鼬 この行く末は何になるらん」。これを聞いたご隠居さん「それなら貂(てん)になる」。お後がよろしいようで。

さん喬さんの「棒鱈」。ここ数日仕事の現場で忙しく寝こけました。内容はほとんど覚えていません。(^∧^) お後がよろしいようで。

「雪の瀬川」。これは長い噺ですが休憩を挟んで通しで聴かせてもらいました。大店の下総屋の若旦那、鶴治郎は堅物の本の虫で、「世間の風に触れないと商売の切先が鈍る」ことを心配した大旦那にいいつかり、番頭が半ば強引に浅草辺の散策に連れ出しました。当然吉原に行きますが、、、後日幇間の崋山に連れ出され吉原に行った若旦那、花魁「瀬川」に一目惚れ。その後足繁く瀬川の元に通いますが、そのためにお店のお金に手を出して勘当に。死のうと思う鶴次郎は以前働いていた奉公人 忠蔵に助けられ居候させて貰います。両思いの鶴次郎と瀬川、忠蔵らの助けもあって最後はめでたしめでたし。
その最後の場面、雪の夜に瀬川が忠蔵の住まいにご法度の足抜きして訪ねてくる場面、「瀬川の赤い襦袢に雪がさぁ〜と」このさん喬の表現、圧巻でしたよ。
笑わせる場面もありますが全体的に上品でしんみり聴かせる噺です。さん喬さんの語り口にぴったり。この噺は先代の円生が「松葉屋瀬川」として演じていたらしいですが、現在ではさん喬さんぐらいしか演じ手はいないとのこと。いやいや貴重な時間をいただけました。