人形町市場落語会

9/23の秋分の日、午後に塩竈から夫が帰り、夜、日本橋社会教育会館に柳亭市馬(りゅうていいちば)さんの独演会に行きました。夏前からチケットを入手してまして、介護があるのでひょっとして行くのは難しいかなと半分諦めていましたが、なんとか調整することが出来ました。

市場師匠は52歳。今年の6月に落語協会会長に就任したばかり。若いのに大抜擢でしょうね。1980年五代目柳屋小さんに入門。1993年に真打昇進となり柳亭市馬を襲名します。乗りに乗っており飛ぶ鳥をも落とす勢いの高座、楽しみです。やっぱりその通り、うまいなぁ〜。話し方にはメリハリがあってしっかりしていて自然に市場ワールドに引きこまれます。声もいいのです。







さて、本日の演目はご覧のとおり。
開口一番にお弟子さんの柳亭市江(りゅうていいちえ)による「身投げ屋」。お金がなくて困っている男が知人より「身投げ屋」という商売を教えられます。橋から身投げすると見せかけて助けてくれた人にお金に困っていると話せば、大体の人はお金をくれる。こんなぼろい商売はないと早速実行。成功もしますが、そこは落語、最後には上手の「身投げ屋」にまんまとやられ、先ほど手に入れたお金を取られてしまう有り様です。







31歳のお弟子さん。お上手でしたよ。今後が期待できると思います。







市場さんの登場。一席目は「付き馬」
吉原でどんちゃん騒ぎ散々遊んだ男、翌朝になって勘定書をみて「安い! これから贔屓にさせてもらうよ」なんて言ってどこまでも金持ちを装う。しかし生憎今日はお金を持ってない、これから借金の取り立てに行くからそれで払う。一緒についてきてくれと若い衆を連れていきます。(この勘定を払ってもらうために同行する男を付き馬といいます。昔は馬子がその役をやっていたというその名残)
馬(若い衆)と男の浅草をめぐる珍道中。馬は銭湯台代から食事までなんでも払わせられます。終いには詐欺の男はまんまと逃げ、馬は早桶屋で棺桶まで作らされ担いで帰る羽目に。馬はもうすっからてん。早桶屋の大将が「何!お金がない!小僧、吉原までこいつの馬で行ってこい」。馬に馬が付けられたという噺。


「穴泥(あなどろ)」金欲しさににわか泥棒になった男の噺です。三両の金策に回っても手当がつかず家に帰るとおかみさんに「豆腐の角に頭打っけて死んでおしまい」なんて怒鳴られる始末。癇に障って家を出たはいいけれど当てもなく途方に暮れます。しばらく歩いていると大きな商家の戸が開いていて「危ないですよ。泥棒に入られますよ」なんて声かけながら、誰も居ないのでふと出来心が。三両だけ盗んでしまおうと。どんどん屋敷の中に入ると祝い事があったのか食膳やお銚子が並んでいます。根が酒好きにはたまりません。お酒を頂いて料理を頂いているうちに酔っちゃいました。だんだん大胆になってきた男。目の前に赤ん坊が入ってきます。もともと子煩悩な性格。抱き上げてあやしているうちに躓いて転び土間の穴蔵に落っこちてしまいます。やがて家人が気がついて「泥棒!!」と大騒ぎ。商家の旦那さんは祝い事の時に縄付きを出したくない。説教だけして返したいと。食客のうちの頑丈そうな男に穴から出してほしいと頼みます。これが見掛け倒しな食客で、酔って威勢のいい男に口で負けてしまいます。尻込みしていく食客に旦那は一両・二両と駄賃を上げていきます。そして三両になった時に穴の中の男が「えっ、三両ならこっちから上がっていこう」