千曲川源流を訪ねて

6/22月曜日行って参りました。源流を訪ねてといってもトレッキングが特に「○○川の源流を求めゆく」というストイックなスタイルに変わったわけではありません。テレビで甲武信岳(こぶしがだけ)登山を観て、源流まで楽に行けそうだったからという全くもってお気楽な発想です。
登山するわけではありませんが一応ふれておきますと、甲武信岳は甲斐(山梨県)武蔵(埼玉県)信濃(長野県)の三県にまたがる2475mの山。「日本百名山」の中で深田久弥は奥秩父のヘソと呼んでいます。


中央高速の須玉で出て県道を1時間ほど走り駐車場のある毛木平に向かいます。川上村に入るともう一面レタス畑。レタス一色。手前の白く写るのはビニールです。小さい苗のうちは保護しているのでしょうね。時期をずらして何毛作しているのかな。川上村は高冷寒村の地で稲作や果樹栽培に不向きな季候。交通の便も悪く陸の孤島だったそうです。それが1950年よりレタス作りを始め今や夏場では生産量日本一だそうですよ。
帰りにスーパーで買って帰りましたが(道の駅はなく、地元野菜はスーパーで買います)朝採り大玉が99円。シャキシャキで甘く、炒めても生でも美味しいです。



さあ、登山用の靴に履き替えもろもろ準備して、さぁスタートです。源流までは3時間とみていますが、さあどうでしょう。










シラビソやカラマツの森。緑がきれいな林道をしばらく進みます。












大きな石を支えるシラビソの枝。ほう、こんな細い枝が支えてるんだ……いえいえ、登山者の遊び心。










毛木平から源流まで約5.4km。最初のうちは標識はだいたい1kmごとに立っているようでしたが、近くなると源流まで2kとか900mとか「もうちょっだから頑張って!」の声が聞こえるように変化していきますよ。








鬱蒼とした森の中、展望はありませんが木々の美しさと千曲川のせせらぎに近づいたり離れたりで気持ちよく歩を進めます。でも緩やかな道はだんだん険しくなっていきます。テレビではこんなはずではなかったんだけれど、やはり山はきつい。
岩肌を這うように流れるナメ滝に到着。1時間40分くらいでしたか。しばし休憩。





ナメ滝あたりから、苔むす森の景色となっていきます。なんと美しい森の事よ!! 言葉はいらない。もう写真だけでお伝えしましょう。

さぁて、ここから道は険しくなっていきます。順調に歩けていた私、汗が出まくり。夫はほとんど汗をかいていないのに。足が重くなり、塩飴を舐めたり水を飲んでも治まりません。数歩進んで止まるの繰り返し。完全にブレーキがかかる。夫に先に行ってもらい源流の写真だけは撮ってきて欲しいと頼みました。
お昼過ぎのこの時間に登っていくので、下山する人は「今日は小屋で泊まりですか?」と尋ねられ、「いえ、体力無いので源流までです」と答えます。やさしいおじさんは「源流までいけば、登ったも同然!」と元気を与えてくれます。


千曲川も、ほらこんなに浅く狭くなってきましたよ。源流もそんなに遠くないはず。でも無理せず行けるところまで行ってみよう。すると夫の姿が木々の間からちらちら見えてきます。源流にただりついて戻ってきたのかと。すると、他の人の姿も木々の間からちらちら。人の様子もくつろいでいる感じです。
えっ! ひょっとして源流か?! はい着きました!!




千曲川の源流です。2230mにあります。毛木平が高いところにありますから、実際登ったのは300m位かな。源流は湧き水です。コップが備えられており飲んでみます。ゴクゴクとのどを鳴らして。くせがなく無垢な源水は冷たく美味しい。ここから湧き出た水は幾筋もの山水と一緒になり川幅を増し、小諸を通り川中島の古戦場で犀川と合流し、信濃川と名前を変えて日本海へと注ぎ出るのです。
367km 日本最長の大河の最初の一滴はここから始まるのです。


源水を沸かしインスタント味噌汁で飲む。まろやかになるのは気のせいでしょうか。塩気を強くして握ってきたおにぎりも、甘めの卵焼きも美味しかった。するともりもり元気が出てきました。塩分も補給されたんですね。
私のブレーキで時間をくった我々。そうはゆっくり出来ません。源流との別れを惜しみながら下山します。幸いにも体は回復し順調に下山できました。
源流から甲武信岳の山頂は1時間くらいで登頂できるとのこと。しかしそこからがガレ場の急坂となります。私の体力では源流までが身の丈です。膝も今日は痛い。病んだ膝を大事に大事にしながら出来る限り長くトレッキングを楽しむことといたします。
しかしながら頂上からは天候に恵まれれば、富士山を初め百名山の43の山が見えるとのことですよ!


追記 2015.06.25 :
百名山の私有地について、とても気になりちょっとだけ調べました。ほんのちょっとですので(といっても私はこれで納得ですので)ご容赦を。
百名山のテレビ番組や、田中陽気君の一筆書きの番組を楽しみに喜んで観て、ときに登る私はこれでいいのかと、大変な迷惑をひょっとしたらかけているのではないかと気になりまして。。。。
百名山の中に私有地である山はあるのですね。例えば栃木県の日光男体山二荒山神社の私有地で入山料が必要。また埼玉県の両神山にはコースがいくつかあって、そのうちの白井差コースは個人の私有地で個人での管理整備をされているので入山料を払うことになっているとのこと。
はい、ひとつ勉強になりました。