感激しました、この記事に

11/02付けのブログにruglove2019より☆をいただきました。初めての訪問者です。お名前からラグビーのファンであることが察しられます。
そしてruglove2019 のブログにお訪ねしたところ、素敵な感動する記事を引用していらしたので、私もこちらのブログでご紹介したいと思います。

ノンフィクション作家でありスポーツジャーナリストで元ラガーの松瀬 学さんのフェイスブック「W杯スクラム日記」での10/6の記事です、長いですがここに引用させていただきます。


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【W杯スクラム日記】しずかな一日です。もうイギリスはすっかり秋です。紅葉が雨に濡れています。ただいま、ラグビーのワールドカップ(W杯)に出場している日本代表のキャンプ地、ウォーリックという小さな町にいます。ウォーリック城という立派な城のある町です。
 古い石畳が続きます。町角から、パイプをくわえたシャーロック・ホームズが出てきそうな風情です。風が冷たい。この地のウォーリック・スクールのグラウンドでジャパンは練習しました。
 グラウンドは緑色の芝が2、3面、あります。いいなあ。こんな高校のラグビー部だったら、もう少し、性格もよくなっただろうに、と思いました。わが福岡の修猷館高校のグラウンドは砂地でした。3年間、ずっとケツの付け根には「ビフテキ」がありました。風呂に入るとき、沁みて沁みて。
 さあ、ジャパンは1次リーグの最終戦の米国戦に向けて練習再開です。練習のとき、雨が上がりました。リーチマイケル主将と廣瀬俊朗選手が真っ先にグラウンドに出て、ふたりでパスをしながら、軽く走っていました。
 いい光景だな、と見惚れていました。リーダーたるもの、こうじゃないと。練習後、廣瀬さんに聞きました。どうして?
 「リーダーは、そうあるべきだと思うのです。まず行動で示すべきでしょ。いい準備を進めるために、なるべく早くグラウンドに立つ。リーダーから、いい準備をしようとしていることを、僕は行動で示したいのです」
 廣瀬さんは今月、34歳となります。エディーさんがジャパンのヘッドコーチになったとき、キャプテンに指名されたのが廣瀬さんでした。彼はジャパンの精神的支柱です。まだこのW杯で試合メンバーになっていません。でも腐りません。
 もちろん、選手として、試合に出ないのは悔しいに決まっています。廣瀬さんは本音を漏らしました。「そりゃ、悔しいですよ。メンバーじゃないと告げられて、10秒ぐらい、クソッと思って、その部屋を出たら切り替えます。人前で嫌な顔は見せません。メンバーから外れても、(日本の勝利のため)次にやるべきことがありますから」
 廣瀬さんはさぞ、タフなメンタルの持ち主なのでしょう。ジャパンの勝利のため、献身的な姿勢を貫いています。サモア戦の前は、練習ではサモアの中心選手、トゥシ・ピシ役をしていたそうです。廣瀬さんのニックネームがトシロウの「トシ」。「トゥシ・ピシではなく、トシ・ピシって呼ばれていました」と笑っていました。
 強いチームには廣瀬さんのような選手が必ず、いるものです。いい話をひとつ、聞きました。ジャパンはW杯の試合で使ったロッカールームをきれいにそうじして帰るそうです。初戦の南アフリカ戦は廣瀬さんら数人で掃除をしました。2戦目のスコットランド戦では、ノンメンバーの「キンちゃん」こと大野均選手が真っ先に掃除を始めたそうです。
 スコットランド戦後は、南ア戦より多くの選手たちがロッカールームの掃除をしました。先のサモア戦。試合後、廣瀬さんや試合メンバーを含め、ほとんど全選手&スタッフでロッカールームをきれいにしたそうです。
 いい話ですね、と声を掛けると、廣瀬選手は「ちっちゃいことが大事かなと思うんです」と言いました。
 「自分たちが使ったロッカールームは自分たちできれいにしようというだけです。自分たちは偉くもなんともない。いいスタジアムを使わせてもらって、感謝の気持ちがあります。ちゃんと足元を見ようということです」
 これって、日本の美徳ではないでしょうか。そういえば、試合の日、メディアは食堂で簡単な食事ができます。大概、多くの記者はペーパー・プレートや食べ残しをそのままテーブル上に残して出ていきます。早稲田ラグビー部の後輩の某スポーツ新聞社フォトグラファーは、「自分で使ったものぐらいは」とちゃんとテーブルをきれいにしてグラウンドに向かいます。えらい! たまたまだったかもしれませんが。
 話を戻します。廣瀬さんの存在なくして、日本のディシプリン(規律)はなかったでしょう。メンバーから外れる。でも、気持ちを切り変える。「腹が立つと思っても、次の役割が絶対、あるんです。ぜんぶ、勉強なんですよ、人生では」
 廣瀬さんは当然、1次プール最後の米国戦の出場をあきらめていません。できる限りの準備をし、エディーさんにアピールするのです。日本ラグビーの歴史を変えたジャパンには、試合に出た五郎丸歩選手たちだけじゃなく、廣瀬さんのような選手もいるのです。
 夕方は豪雨となりました。雨脚が弱くなり、一瞬の晴れ間。すわ、と近くの公園を走りに行きました。廣瀬さんの話を聞いたら、なぜか走りたくなったのです。意外に坂が多く、濡れたカエデの落ち葉で何度も滑りそうになりました。のどかな町です。イギリスの田舎町っていいものです。


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ruglove2019さんのお陰で素敵なお話に出会えました。有り難うございます。