2016年1月の俳句

新婚の睦まじく行く年賀かな  (しんこんのむつまじくいくねんがかな)

やはり仲人さんの所にはいの一番にお年賀に行きましたっけね。はじらいつ、夫の後ろに…それがどうです、今や! 夫が後ろに着いてくる なんちゃって。季題は年賀。



七草の籠も年季の里住まひ  (ななくさのかごもねんきのさとずまい)

季題は七草。里山に住む人は毎年春の七草を摘みに行きます。そうその籠も古ぼけて、ところどころ修理の竹が組み込まれているけど、使い慣れた大事な籠です。



両の手に箪笥の引き手凍てきびし 
(りょうのてにたんすのひきていてきびし)

塩竃の義母の箪笥ですが、2階の北側の部屋に置いてありまして、引き手が心底冷たい。普通の桐箪笥の引き手のように華奢ではないのです。手袋して開けたいほどです(笑)。仙台箪笥にはもっと飾り金具が立派なものがありますが、それは冷たさが増すことでしょうね。季題は凍る(凍てる)。水が凍ることをいいますが、実際凍らなくても気分の上で凍る感じのこともいいます。



鎮魂を強く優しくスケーター  (ちんこんをつよくやさしくすけーたー)

盛岡でしたか震災の復興を願ったスケートーショーが開催されました。NHKテレビで放映をしておりまして観ておりました。羽生結弦君の滑りが素晴らしかったです。涙が出るほどに感動しました。それで詠んだ句ですが、こういう句は時事詠・時事俳句(その時その時の社会の出来事よ詠んだ句)で実は好まれないのです。特に花鳥諷詠を旨とするホトトギス派はそうです。「日記に書き留めておきなさい」的な評を受けます。でも今回の句会ではあえて出しました。そうしたらテレビを観て同じ気持ちをもったお仲間から「時事俳句に入るのかも知れませんが、結弦君に私も感動をもらいましたので」と取ってくださいました。季題はスケート。



走りつつ挨拶する子日脚伸ぶ  (はしりつつあいさつするこひあしのぶ)

このところ明らかに日が延びてきましたね。夕方のウォーキングでとみに感じます。ついつい日が長くなって遊びすぎたのか小学生、帰りを急ぐのですが、でもちゃんと「こんにちはぁ〜」と挨拶してくれましたよ。そんなのが嬉しい。季題は日脚伸ぶ。「一日に畳み目一つ」伸びると言われますが、本当にそう感じますね。