2019年1月の俳句

よき終はりよき始まりと去年今年  (よきおわり よきはじまりと こぞことし)

年の締めくくりを気持ちよく終われば、スタートも気持ちよく始まります。できるだけ大晦日は穏やかに過ごしたいと。季語は去年今年。元日の午前0時を堺に今年に移り変わることです。
虚子の「去年今年貫く棒の如きもの」があります。有名な句で、派を超えて誰もが認める句です。


風花や旅の終はりは湯ノ湖なる  (かざはなや たびのおわりは ゆのこなる)

奥日光での風景。季語 風花は、冬晴れの日に山からの雪が風に運ばれ舞い降りる雪片のことです。この風花が湯ノ湖に舞い降りその旅が終わったかと。


早や六日亥の年の日々走りゆく  (はやむいか いのとしのひび はしりゆく)

今年はじめての俳句の勉強会は六日でした。また一年お世話になります。季語は六日。新年の季語は元旦(鶏日)から始まり、二日(狗日)・三日(猪日)・四日(洋日)・五日(牛日)・六日(馬日)・七日(人の日)と、六日までは禽獣を七日に人を占ったという中国の前漢時代の風習によります。お正月ならではの季語ですし、勉強会がそこにあたることも珍しいので初句会の挨拶句として詠みました。


待たされる束縛もあり冬帽子  (またされる そくばくもあり ふゆぼうし)

待ち合わせには遅れないようにしましょう(笑)。来るまでただ待つのみは結構辛いです。特に寒い夜の待ち合わせには。季語:冬帽子。


採血の上手でありて日脚伸ぶ (さいけつの じょうずでありて ひあしのぶ)

年に一度の健康診断。看護師さんは注射が上手。季語:日脚伸ぶ。1月も半ばを過ぎますとめっきり日が長くなりますね。間違いなく春の近づきを感じます。