「勝川春章と肉筆美人画」 at 出光美術館


3/27の日曜日までの開催。ぎりぎり27日に行きました。出光美術館は帝国劇場のビル9Fにあります。名の知れた美術館でありながら今回が初めてです。エレベータの中でおじさまが「連れが来られなくなったので、このチケットお使いください」と。お代金をお支払いしますと申し出ましたが、いいですと仰ってくださったので、ご厚意に甘えました。ラッキーです! 最終日とあってなかなかの混みよう。でも頭越しに見ないといけないほどではなかったので良かった。
勝川春章(かつかわ しゅんしょう 1726〜1792)は江戸時代中期の浮世絵師。役者絵版画で人気を集め、50歳頃から肉筆美人画の制作に専念しました。その晩年の作品を特集した、生誕290年(ちょっと半端な数字)を記念しての美術展です。
副題に「<みやび>の女性像」とありますが、本当に美しい絵ばかりが70点のそろい踏みです。春章の作品を中心としますが、師匠の宮川長春や同世代の浮世絵師の作品も展示されていました。掛軸になっておりまして。またその表装の素晴らしいこと。手漉き和紙から正絹裂地、どれも目を奪います。掛け軸の絵や文字だけでなく表装も見なさいと常々お茶の先生より言われています。しかし裂地は難しい。きれいだなぁ〜と感心するだけで織り方までよう分かりません。
春章の女性はなまめかしいながらも上品で着物の模様も実に細かく、版画では出せない肉筆ならではの色彩と技法です。当時の美人画の典型的なポーズは左手は袂の中へいれ、右手でつまをつまむのだそうです。そんなポーズの絵も並んで紹介されていました。また必ず素足ですね。雪のなかでも素足。冷たかろうに思うのですが、そこは演出。やはり素足のほうがなまめかしい。黒い下駄に赤い鼻緒に白い小さな素足。へぇ、私のようにでかい足ではありましぇん。
浮世絵美人画というと真っ先に喜多川歌麿を思い浮かべますが、それは版画の世界。いわゆる肉筆(一枚物)の美人画であれば一番は勝川春章であるといわれています。作品のいくつかを絵はがき及び出光美術館のPHより掲載させていただきます。

「美人鑑賞図」 勝川春章
チラシになっている絵です。晩年の作品ですが展覧会では一番に紹介されていました。





「文読む遊女図」 「梅下美人図」





月次絵(つきなみえ)といって、1年12ヶ月の行事や風俗を題材にした絵のことですが、春章は美人画で表現しています。
「正月」 「雛祭」 「端午






「石橋図」 礒田湖龍斎(いそだこりゅうさい)
勝川春章の作品と礒田湖龍斎の作品が並んで比較されていました。ともに華やかな着物を付けた女性が牡丹の花を手にして踊っています。この龍斎画はダイナミックに牡丹を激しく振っています。春章画は牡丹がふわりと風にたなびいているようで身のこなしは軽く風雅で上品です。ダイナミックな湖龍斎のほうが私向きかもと思ったものでして。。。。こちらの絵はがきを買いました。