シューベルト「美しき水車小屋の娘」 コンサート


昨日の6日 浜離宮アフタヌーンコンサートです。テノールの福井敬さんとピアノの横山幸雄さんの共演ならばいかねばの。曲はシューベルトの「美しき水車小屋の娘」で、作詞家の松本隆さんの日本語訳詞で福井さんが歌い上げます。私的には「訳詞で日本語で歌う」部分には惹かれたわけではありません。ただただ福井さんと横山さんの共演です。原語のドイツ語であろうと、もちろんドイツ語は分かりませんが、聴く前に粗筋を理解していれば歌い手の表情や声の調子で喜びや哀しみ、怒りなどは理解できます。それよりも歌い手の声に酔いたいが先ですので。
この曲はドイツの詩人ヴィルヘルム・ミュラーの詩にシューベルトが曲を付けました。詩の内容はざっくりですが、粉職人の若者が美しい水車小屋の娘に恋をし、お互い良い感じになるのですが、そこに狩人が現れて彼女を奪い去って行ってしまいます。絶望の淵に沈む若者は小川にこの哀しみの心情を語り死んでしまうという物語です。
福井さんのお話しによりますと訳詞の松本隆さんはもともとクラシックがお好きであるとのこと。今回の訳詞には相当な苦労があったとか。そりゃそうですわね、もともとドイツ語の詩に曲を付けたのですから、その曲に日本語を、原詩の意味を踏まえて、付けなければいけないのですから。例えば「私」はドイツ語で「ich (イッヒ)」、日本語だと「わたし」と3文字になってしまいます。それだけでも歌曲を訳すのは大変さが理解できます。
それと、基本的にクラシックの発声法に日本語を対応させるのはもともと無理があるのかもしれません。詳しくは分かりませんがそんな気がします。聴いていても日本語はよく分かりませんでした。聴き取れない私が未熟だからです(汗)。
それを訳し歌い上げるお二方にそして伴奏をされた横山さんに拍手を。

横山さんが伴奏だけでは勿体ないと思っていましたが、一部ではシューベルトの「4つの即興曲Op.90 D899」より 第2番と第3番をピアノソロで聴かせてもらいました。テクニック最高!