新春プラザ寄席 2024

 1/6(土)今までですと下丸子区民プラザで開催されていましたが、耐震工事で休館中にて蒲田のアプリコ大ホールで行われました。下丸子より倍のキャパがあって満席。今後もこちらで開催するほうが興行的にはいいんでないと思いますが、、、蒲田の方が便利だし。

出演者はご覧の通り。柳家さん喬師匠は毎年必ず出ます。柳家喬太郎春風亭一之輔立川談笑と実力者勢ぞろい。立川談笑は初めて聴くかもです。他の出演者は寄席で忙しく、このあともさん喬は寄席のトリを務めるとのこと。立川談笑はこの日が初仕事とのこと。協会の関係で寄席には出られないのね。
さん喬師匠の「井戸の茶碗」は何度も聴いていますが、やはり安心して聴けますね。
談笑も「片棒改」「改」がついているのは「破天荒な古典の噺ではあるけれど、談笑によって現代風にヴァージョンアップされた」ということらしいです。噺の中心は父親の葬儀の話ですので、新年早々葬儀かい!と思わなくもないですが、面白かった。トリの喬太郎にもそこのところ笑いで突っ込んでいました。
談志一門は必ずと行っていいほど談志の話題を振るけれど、それはもういいんでないのと思う。弟子の皆さんはすっかり成長されて勤め上げていらっしゃるから。

キース・ヘリング展

 

1月1日森アーツセンターギャラリーで開催中のキース・ヘリング展に行ってきました。
「アートをストリートに」と副題がついている通り、キース・ヘリングと言えば1980年代にNYの地下鉄構内でのやストリートでの作品を思い浮かべますね。1980~1990年代の活躍ですから記憶に新しいです。
31歳という若さで亡くなりましたが(1990年)、今回の展示会では150点展示されています。
HIVエイズへの偏見と支援不足をアートで戦ったと伝わっています。
また「アートはみんなのために」とヘリングは「彫刻や壁画などを世界の都市数十ヶ所でパブリックアートとして制作しています。そのほとんどが子どもたちのための慈善活動でした。」と説明がありました。
来日したときは多摩市で500人の子どもたちと共同制作したり、原宿でパフォーマンスしたりと民衆の中に溶け込んでみんなとアートを楽しんだようです。

知りませんでしたが、レコードジャケットも描いていたんですね。これは楽しくご機嫌!

あけましておめでとうございます


本年もどうぞよろしくお願いいたします。

賀状の龍は川端龍子の絵「郵便貯金百億円記念絵葉書」。昭和17年に発行されたものです。
賀状用に龍の絵を探していて見つけました。ヤフーオークションで550円でゲット。
こういうものがまだ残っているとは驚きです。

2023年12月の俳句

 川船の波逆らはず浮寝鳥
 数多なるカメラをよそに浮寝鳥

季語:浮寝鳥。水に浮いたまま、首を翼の間に入れて眠っている雁や鴨などの水鳥です。冬によく見かける光景ですね。




手負い鶴届かぬ空を見上げをり

季語:鶴


冬の朝ホットミルクの膜厚し

季語:冬の朝


冬ざるる医者は加齢と片付けし

季語:冬ざるる。見渡す限り冬の景色で荒れさびた感じをいいます。何でもかんでも加齢です(涙。


ケーキ買ふただそれだけのクリスマス
枕元この上なくのクリスマス

せめてケーキだけでも。
子供が寝静まったのを確かめて枕元にプレゼントを置く。子供にも親にとっても一番のクリスマスではなかったかと懐かしく。
季語:クリスマス。

香川の島旅(直島・豊島 アートの島を訪ねて)No.3(終)

 家プロジェクトの帰りにBenesse Houseのパークに、昨晩は夜で暗くてあまり見えなかったので、昼間の明るいうちにと杉本博司さんの「硝子の茶室『聞鳥庵』」を観に寄りました。何でもヴェネツィアヴェルサイユ、京都を経て2022年直島へやってきて3月12日ににオープンしたとのことです。メディアでよく紹介されていたので茶道を学ぶものとしては実物を見るのが楽しみでした。こんな茶室でお点前したくなりますわ。

ミュージアムに帰って食事の前に館内の作品を巡りました。殆どの作品はテレビで観たことのある作品ばかりです。

翌日は直島の宮浦港より豊島(てしま)に船で(25分)渡ります。よく晴れて暖かだったのでデッキから瀬戸内の島々を見ながら。豊島ではレンタカーで移動しました。

 豊島の家浦港のすぐ近くにアーティスト・横尾忠則と建築家・永山祐子による「豊島横尾館」があります。既存の建物の配置を活かして「母屋」「倉」「納屋」。テーマは「生と死」。説明者の松潤似のイケメン青年に説明を聞きましたが、そのテーマは哲学的で理解に難しかったです。
写真は庭です。全体に赤が貴重色です。
※写真はHO関連より










豊島は湧水が豊富でその湧水を利用して棚田が作られています。

その横に広がる瀬戸内海。



そして豊島美術館。アーティスト内藤礼さんと建築家西沢立衛さんによります。この作品もよくメディアで紹介されていますので皆さんご存知かと思います。右の円形の建物が作品で、中には小さな泉がいくつもいくつもあり湧きい出ています。その水滴の流れるさまが面白く飽きません。お子さんたちはずっと楽しんでいました。ある青年は思いに浸ったりと過ごし方は人それぞれ。


クリスチャン・ボルタンスキーによる「心臓音のアーカイブ」。世界中の人々の心臓音が保存されそれらの心臓音を聴くことができる小さな美術館。入口に今出されている振動音は〇〇さんと表示されています。自分の心臓音も録音してもらえるそうです(有料)。
「ささやきの森」などに寄りましたが、ささやきの森は「400個の風鈴が風に揺れ動き、静かな音を奏でるインスタレーション」と楽しみに森に入っていきましたが、当日は無風状態。全く風鈴はなっておりませんでした。

これでこの旅も終わりアートの余韻を感じつつ帰路につきました。作品は近代芸術の部類でしょうが、そんなに難解でもなくすんなり身を寄せられました。その空間を楽しむことが大切だとわかりました。

香川の島旅(直島・豊島 アートの島を訪ねて)No.2

 Benesse House 宿泊の建物はパークとミュージアムがあります。そしてそれぞれの館内に作品展示・レストラン・カフェ・宿泊棟があります。我々はミュージアムに宿泊しました。昨晩の夕食は洋食にしましたので洋食レストランのパークにシャトルバスで移動。3分ほどです。余談ながらスタッフ皆さんは外国語が堪能です。海外の方もストレス無く過ごせるのではないでしょうか。

食事の前に「杉本博司ギャラリー 時の回廊」のガイドツアーに参加しました。宿泊者は無料です。明日見学する「家プロジェクト」の目玉である杉本さんの作品「護王神社」の模型があり説明を受けて予習できたのは良かったです。

翌日は直島の本村地域にあります「家プロジェクト」の散策です。Benesse Houseでガイドさんを依頼して(宿泊者は1名1000円)周ります。古民家そのものがそれぞれアーティストの作品となっています。

左の縦が護王神社。江戸時代から続く神社を杉本博司さんが再建したものです。杉本さんらしく階段はガラスです。右上が「角屋」。築200年の民家(ガイドさんに改修前の写真を見せてもらいましたが、壁は落ち全くの廃屋状態でした)。中に入ると部屋に水がはられ、島民たち(125名)が決めたスピードで動くデジタルカウンター125個が置かれています。その島民の一人のおじいちゃんは「墓に参らんでいいからこのデジタルカウンターを見に来てくれ」と家族に言っているそうですよ。
その下は「南寺」。ジェームズ・タレルの作品です。真っ暗な中でしばらくしていると目が慣れ次第に光が見えてきます。でもその光は薄っすらもいいとこです。
その下のぼろぼろの建物は大竹伸朗さんの「はいしゃ」。かっての歯科医院がまるごと作品になっています。建物に廃船部品や鉄塔など貼り付けて、、、う~んボロ家やね。
その隣は「きんざ」。一人づつ入る予約制(15分)です。築200年の家屋の中に入ると内藤礼さんの作品「このことを」がありま迎え座り、1対1の対峙となります。これはちょっとつらかったかな。
下は自転車で通りすがった本村港の新たなシンボルです。う~ん写真が切れちゃいました。
他にもかって製塩業を営んでいた石橋さんの邸宅を再建した
「石橋」には千住博さんの襖絵がありました。

見どころ満載の「家プロジェクト」。直島の島民たちがどちらかというと前衛的な美術家の作品を受け入れ協力したところが素晴らしいです。大体においてお年寄りは「なんじゃこれは!」でしょうが、最初はそうだったかもしれませんが、作家たちも島民に寄り添い話し合いを重ねて、島民と作家たちが一つになった島です。
これは全くの持論とお断りしますが、その昔、崇徳天皇がここ直島に島流しになったそうです。島流しとはいえ、なんせ天皇ですからお付きの方々はいっぱい。きっと京の都の文化を持ち込んだのでしょう。文化慣れのDNAが受け継がれたのではないかと思いますね。
島が誇る文教施設施設もしかり。幼稚園・小学校・中学校も素晴らしい建物です。これも1970年建設というのですから、島民たちに新しいものを受け入れる素地があったのではないかと推測します。
※写真は直島関連PHより


どこかの県のように村おこしでスペイン村だのハウステンボスなどのテーマパークの誘致ではなくではなく、アーティストの作品に・芸術に寄り添ったところが時の町長さんは偉かった。それもベネッセ(福武書店)の創業者 福武總一郎氏の尽力も忘れてはいけない。
なんでもガイドさんの話によると最初はヤシの木など植えてパラダイス計画なるものが起こったそうですが、、、却下されたみたい。

香川の島旅(直島・豊島 アートの島を訪ねて)No.1

 直島・豊島へは20年5月に行く予定でしたが、コロナ騒ぎとなり断念しました。3年越しに叶いました。12/8~10の2泊3日の旅です。新幹線で岡山まで行き、宇野港より船で直島へ。レンタルサイクルでアートめぐり。電動自転車です。島内は坂が多いのでほとんどハイパワーモード。楽ちんであります。情報は入っておりましたが、海外の方々の観光客(欧米)が日本人より多い!それも個人旅行。道路も狭く大型の観光バスが入れないからか、宿泊施設も少ないからか(団体得意の中国系は無理と思います)。こう言ってはなんですが、その分静かでありました。
直島のシンボル 草間彌生さんの赤かぼちゃがお出迎え。


まずは地中美術館へ。Benesse House の敷地内にあります。なので宿泊もBenesse Houseにしました。中の移動はシャトルバスを利用できます(我々は自転車で移動)。でも思うにシャトルバスのほうが便利だな。
なんせ地中美術館なので外に外観が現れず、巨大なので撮せません。建物は安藤忠雄さん。楽に移動はできません(笑。 でもたいしたもんだなぁと感心します。安藤さんの建築嫌いではないので受け入れられます。
美術館の中には、クロード・モネ室から始まってジェームス・タレル室、ここには3点の作品が展示されています。「アフラム、ペール・ブルー」「オープン・フィールド」「オープン・スカイ」。光の中に入っていく・光に中にいる を体験する作品。私は「オープン・フィールド」で強く体験しました。部屋(光)の中に入るとブルーの空間。振り向くと入口は閉ざされうす赤い壁になって閉じ込められたかと錯覚を起こします。近づくと元の入口に。光でこんな事ができるのかと驚きです。

私はなんといってもウォルター・デ・マリアの室が感動を受けました。奥行24m・幅10mの大きな部屋に階段があり中段の踊り場に大きな花崗岩の球体が置かれ、天井の窓よりの部屋の採光が変わるようです。我々のときは全くの青空が天窓より球体に映り込み、端に動けば斜めに球体に沿った歪んだ天窓の青。なんやねん!と訳わかんないですよね。写真が撮せないので説明が難しいです。
撮影禁止・作品に触れないでの約束がありますが、4人組のおば様方、ぺたぺたぺたと球体を叩いていました。きっとたくさんの手形がついたに違いない(笑。スタッフは拭き掃除に大変だ。


次は建物は安藤忠雄さんの建築で、展示は草間彌生さんの作品 VALLEY GALLERY へ。庭にはミラーボールが敷き詰められ、池のボールは波が立つと移動します。ボールには周りの自然や我々が移りだされます。
恒久展示である小沢剛さんの「スラッグブッダ88」は豊島の産業廃棄物処理後のスラグで88体の仏が並んでいます。

第一日目はこれで終わりホテルにチェックイン。瀬戸内海に沈む夕日。綺麗でした。

部屋への通路のこのブルーも綺麗でした。